「おだっとたらあかんで!」
このように使われる「おだつ」という言葉をご存じでしょうか?
「おだつ」は三重県(北部)の他、福井県、宮城県や北海道などでも使われる言葉ですが、使われる地域が限定的なため、他の県の人には意味がわからないと思います。
今回はこの「おだつ」の意味や使い方について解説します。
「おだつ」とは?
方言の「おだつ」は、「ふさげて騒ぐ」「調子にのってはしゃぐ」という意味です。
授業中にふざける小学生や、スーパーなどで、はしゃぎまわる子供の様子を指すことが多いですが、ちょっと調子にのってなめた態度をとる大人に対しても使います。
主に三重県の北部で使われているようで、南部では通じないことがあります。
お…おだつ…?島本和彦てんてーは同郷だっただろうか??と思いググってみたら「おだつ=ふざけてはしゃぐ、騒ぐ」という方言は北海道・三重県の方言でもあるのか…てっきり仙台語なのかと…てか、随分離れた地域なのに同じ意味の方言があるって不思議。間の地域はスッ飛ばすの??
— 蜜音伊織はへんじがない。 (@mitsune19) March 4, 2015
「おだつ」の語源
「おだつ」の語源は「煽てる(おだてる)」だといわれています。
現在の「煽てる」は「人をさかんにほめたてる」という意味で使われる他動詞ですが、昔は、「人の気持ちを乱すように騒ぎ立てること」という意味でも使われていました。
方言の「おだつ」は、「煽てる」の後者の意味が残ったものだといわれています。
では次に「おだつ」の使い方をみていきます。
「おだつ」の使い方
「おだつ」は以下のように使います。
①「あんまりおだっとったらあかんで!」
標準語訳:「あんまりふざけていたらだめだよ」
学校の先生やお母さんが子供を叱るときや、調子に乗っている友達をたしなめたいときなど、様々な場面で使われるこのフレーズですが、言い方によって、ニュアンスはだいぶ変わってきます。
冗談っぽく軽い感じで言うと、こちらの怒りは全く伝わりません。相手が子供だとよけいに調子にのってふざけたりします。
叱りたいときは、本気の怒りをこめて言いましょう。
②「男子おだち過ぎやー。掃除ちゃんとやんなー」
標準語訳:「男子ふざけ過ぎだよ。掃除きちんとやって」
「おだつ」に「過ぎる」がついた、「おだち過ぎ」という言い方もよく使われます。
男子が掃除中「おだちすぎ」て、キレた先生に「お前らおだっとったらあかんぞ!」と怒鳴られるのは、よくある光景ですね。
③「あいつほんまにおだちやなあ」
標準語訳:「あいつは本当にお調子者だな」
「おだつ」は動詞ですが、「おだち」という形で名詞として使われることもあります。
いつも調子に乗っている人、またはそういう性格という意味で使われます。
方言「おだつ」のまとめ
ここまで方言の「おだつ」についてみてきましたがいかがだったでしょうか?
最後に「おだつ」についてまとめておきます。
・「おだつ」は、「ふざける」「調子にのる」「はしゃぐ」などを意味する言葉
・語源は「煽てる(おだてる)」だと言われている
・「おだち」という名詞形で使われることもある。
以上「おだつ」の解説でした!