「あいつほんまにごうわくやつやわ」
このように使われる「ごうわく」という言葉をごぞんじですか?
三重県や兵庫県でよく使われるこの言葉、人の感情を表しているのですが、なかなかこの感情は他の県の人には伝わらないようです。
今回は、この「ごうわく」の意味や使い方について解説します。
方言「ごうわく」とは?
「ごうわく」は標準語で「腹が立つ」「ムカつく」「いらいらする」という意味です。
ただし、「ごうわく」が表す怒りレベルは、「もう我慢ならんっ」くらいの強いものですので、「ちょっともやっとした」くらいでは使いません。
三重県は伊勢の出身です!ごうわく=はらわたの煮え繰り返る様ですよね?「めっちゃごーわいたわ!」言ってましたわ?懐かしい?
— ゆきのふ (@yuki_nof) May 27, 2019
「ごうわく」の語源とは?
「ごうわく」の語源は「業が沸く(ごうがわく)」です。
「業が沸く」の「が」が次第に省略されて、「業沸く(ごうわく)」になったと思われます。
「怒りの気持ちを激しくする」という意味の「業を煮やす」という慣用句がありますが、「業が沸く」はそれの別の言い方で、意味・用法は同じです。
湯がぐらぐらと沸くように、怒りがふつふつと激しくなっていく様子を想像していただくと、わかりやすいかと思います。
それでは、次に「ごうわく」の使い方をみていきましょう。
「ごうわく」の使い方
「ごうわく」は以下のように使います。
①「あいつ、しょっちゅう嘘つくんやで。ほんまごうわくわ。」
標準語訳:「あいつ、しょっちゅう嘘つくんだよ。本当に腹が立つよ!」
②「昨日行った店の店員が態度悪くてな、めっちゃごうわいたわ。」
標準語訳:「昨日行った店の店員が態度悪くてさ、すごくイライラしたよ」
③「お前、ほんまごうわくやつやな!」
標準語訳:「お前、本当にむかつくやつだな!」
このように、「ごうわく」は、かなり腹が立っているときに使います。
もし三重県の人に「ほんまごうわくやつやな!」と言われたら、とにかく誠心誠意謝りましょう!間違っても「ごうわくって、何?」などと聞き返してはいけません。
方言「ごうわく」のまとめ
ここまで方言の「ごうわく」についてみてきましたがいかがだったでしょうか?
最後に「ごうわく」についてまとめておきます。
・「ごうわく」は「腹が立つ」、「ムカつく」「いらいらする」という意味。
・「ごうわく」の語源は「業が沸く(ごうがわく)」
・「ごうわく」はかなり腹が立っているときに使うことが多い。
以上、「ごうわく」の解説でした。