「いましそれはちょっと古いやろ~」
このように使われる「いまし」という言葉をご存じでしょうか?
三重県でよく使われる言葉ですが、地域によって使い方が微妙に違うので、他の県の人にはわかりにくいと思います。
今回は、この「いまし」の意味や使い方について解説します。
三重の方言「いまし」とは?
方言「いまし」には、
①「今」「たった今」
②「今どきの」「最近の」
という2種類の意味があります。
ただし、「いまし」の使い方は三重県内でもバラバラです。
・①の意味だけで使う
・②の意味だけで使う
・両方の意味で使う
・「いまし」という言葉は使わない。
と人によって様々な使い方をするので、「いまし」の意味は文脈などで判断する必要があります。
なんやこれww
いましって方言やったんやひそかに話題になっとるん? 三重の方言がじわじわ来とるんちゃうの?|つづきは三重で https://t.co/sVPVeiRTpb
— ゆうてん@4歳♂&8ヶ月中の人♀ (@yuten_1012) January 12, 2020
「いまし」の語源
「いまし」の語源は「今し」です。
「今」に強意の文語助詞「し」がついた古語で、「たったいま」「ちょうどいま」という意味を表していました。
「今し」に、頃合いや時間を意味する「方」がついた、「今し方(いましがた)」という言葉は現在でも使われていますね。
この「たった今」から派生して「最近」や「今どき」という意味でも使われるようになったのだと思われます。
では次に、「いまし」の使い方をみていきましょう。
方言「いまし」の使い方
「いまし」は以下のように使います。
①「いましバスが出たところやわ。」
標準語訳:「たった今バスが出たところです。」
②「いまし、それはちょっとないやろ。」
標準語訳:「今どき、それはちょっとないでしょう。」
③「いましの子らは、こんな曲聞くんやねえ。」
標準語訳;最近の子達はこんな曲を聞くんですね。」
最近の~という意味で、いましの~という言い方もします。
シチュエーションで、意味の違いを判別するのはそんなに難しくないと思います。
とりあえず、「いまし」=「今」と覚えておけば、どんな場面でも、大きく意味を間違えてとることはないでしょう。
方言「いまし」のまとめ
ここまで方言の「いまし」についてみてきましたがいかがだったでしょうか?
最後に「いまし」についてまとめておきます。
・方言の「いまし」には標準語の「たった今、ちょうど今」と「最近の、今時の」の2つの意味がある。
・「いまし」の使われ方は、三重県内でもバラバラで、「いまし」という言葉を使わない人もいる。
・「いまし」の語源は「今」に強意の文語助詞「し」がついた「今し」である。
以上「いまし」の解説でした。