栃木弁

栃木の方言『うら』とは?意味や使い方を例文で解説!

「うらに回覧版持って行ってー

 

このように使われる「うら」という言葉をご存じでしょうか?

 

「うら」は主に栃木県で使われる言葉です。

 

他の地域の方には通じにくいと思います。

 

今回はこの「うら」の意味や使い方について解説します。

 

栃木方言の『うら』とは?

栃木の方言として使われる「うら」は標準語で「うしろ」という意味です。

栃木では「前」の反対は「うら」です。

「後ろ」と言われても意味は分かりますが、一般的に「うら」を使います。

表と裏の「裏」も「うら」といいます。

 

 

 

ざっくりとした後方を表すときに、「うらの方」という言い方もよくします。

 

栃木県では「後方」「後ろの方」という意味なので、「家のうらの方」「うらの方の席」という言い方も一般的です。

 

標準語で裏は表の反対なので、「裏面、「裏側」と使うことが多いでしょう。

 

栃木方言の『うら』を使った言葉と反対語

よく使う「うら」の表現を反対の意味の言葉と一緒にご紹介します。

 

・前の黒板―うらの黒板

・前の席―うらの席

・前髪―うらの髪

・前の家―うらの家 (「うら」だけでも「後ろの家」という意味)

・前の畑―うらの畑

・学校の前―学校のうら(悪い意味はなく、建物の後方)

・前の駐車場―うらの駐車場

 

次は「うら」の使い方を例文でみていきます。

 

栃木方言の『うら』の使い方

「うら」は以下のように使います。

 

①プリントうら回してー

標準語訳:プリントを後ろの席に回してください。

 

これが通じなかった時、衝撃を受けました。

 

ここでは、プリントの「裏面」という意味ではなく、「後ろの席」という意味で使っています。
同様に「うらの人プリント集めてください」は「後ろの席の人」という意味です。

 

②うら乗ってくかい?

標準語訳:(車やバイクの)後部座席に乗っていくかい?

 

「乗ってぐ」と発音するとネイティブ度が高まります。

 

③おらじのうらには三人家族が引っ越してきたんだと。

標準語訳:我が家の後ろの家には三人家族が引っ越してきたんだって。

 

「おらじ」は「わたしの家」という意味です。「おらげ」という人もいます。

 

方言『うら』のまとめ

いかがだったでしょうか。

 

まとめると

・とちぎの方言「うら」は「後ろ」の意味

・前の反対は「うら」

・よく使う「うら」の意味は「後ろの席」や「後ろの家」

 

栃木県民は「前・後・裏・表」の空間概念が他県民と違うので、標準語でどれが「うら」というのかよく分かっていない人が多いのではないでしょうか。

 

「表の入口、裏の入口」「表通り、裏通り」は標準語でも使うので、余計に混乱します。

 

栃木県で「うらの人」と聞いても、「裏組織の人」ではなく、ただ「後方にいる人」のことですので、安心してくださいね。

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