『派手に転んだけどだいじ?』
このように使われる「だいじ」という言葉をご存じでしょうか?
「だいじ」は栃木弁の代名詞ともいわれる方言です。
標準語の「大事」ではありません。
今回はこの「だいじ」の意味や使い方について解説します。
栃木方言の『だいじ』とは?
栃木の方言として使われる「だいじ」は標準語で「大丈夫、平気」という意味です。
たいていの方は「だいじ」と聞くと「大切、重要」などの意味を思い浮かべるかと思いますが、栃木では「大丈夫」という言葉なので注意しましょう。
泊まりを防ぐのは理解するが
飲食止めたのは逆効果じゃねーの?
来るな言ったって実際問題来てるぞ県外ナンバー
どこでトイレを?腹減ればコンビニスーパー?たぶん日光市だけじゃなく栃木県全域に要請して回ったんだろうし
だいじか?コンビニとスーパー
— やー。【迷走中】 (@83_m_) April 26, 2020
今日、体温測ったら34.8℃だった・・
逆に、だいじけ?— 暫定球(❌🖕…) (@zanteikyu) April 28, 2020
栃木方言の『だいじ』の注意例
他県民と会話が混乱する例を紹介します。
他県民「次の授業だるいからさぼっちゃおうかなぁ。」
栃木県民「次の授業は『だいじ』だよ」
他県民「え~じゃぁ授業出なきゃ。」
栃木県民「いや、出席とらないから『だいじ』だって!」
他県民「え?」
この栃木県民の意図をくみ取ると
・「次の授業は行かなくて『大丈夫』だよ」
・「出席とらないから行かなくて『大丈夫』だって」
という意味になります。
他県民からは「次の授業は『大切』だから行かなきゃだめだよ」という意味にとらえられてしまいました。
このように「だいじ」を使った場合、他県民が混乱することがよくあるので注意が必要です。
栃木方言の『だいじ』と『大事』の見分け方
栃木県民は「大丈夫」の意味でも、「大切」の意味でも「だいじ」を使います。
では、栃木では「だいじ」と「大事」をどのように判断しているのでしょうか。
それは、「文脈でなんとなく」判断しています。
人を心配したときに「大事?」という人はいないので、きっと「大丈夫」という意味だと考えます。
また、「大丈夫」の意味の場合は、若干ですが「だ」にアクセントをつけて、「だ~ぃじ」
「大切」の時は「い」を少しはっきり、「だいじ」と言っているような気がします。
そもそもあまり「大事」とは言わずに、「重要」や「大切」と言い換えているのかもしれません。
次は「だいじ」の使い方をみていきます。
栃木方言の『だいじ』の使い方
「だいじ」は以下のように使います。
①血いだら真っ赤だっぺな!だいじじゃねぇべな。
標準語訳:血で真っ赤だよ!大丈夫じゃないな。
②仕事辞めたんだっぺ?だいじなんけ?
標準語訳:仕事やめたんでしょ?大丈夫なの?
「大丈夫?」の時は「だいじけ?」、「大丈夫なのかい?」と言いたいときは「だいじなんけ?」を使います。
③「学校とうと休んでっけどだいじなんけ?」「だいじ、だいじ!病院さ行ったからだいじだよ。」
標準語訳:「学校ずっと休んでるけど大丈夫なの?」「平気、平気!病院に行ったから大丈夫だよ。」
もっと年配の栃木県民なら「はぁ医者様行ったからだいじだぁ。」と言うでしょう。
方言『だいじ』のまとめ
ここまで栃木方言の「だいじ」についてみてきましたがいかがだったでしょうか。
最後に「だいじ」についてまとめておきます
・栃木方言の「だいじ」は「大丈夫」の意味。
・「大事」と「だいじ」の意味は文脈で判断。
・「だいじじゃねぇ」「だいじなんけ」と使用することが多い。
栃木県民が言う「仕事だいじ?」は、「仕事と私どっちが大事なの?」と追及しているわけではありません。
「仕事大丈夫?仕事うまくいっている?」と心配しているのです。
「だいじ、だいじ!」と軽く言って、安心させてあげましょう!
以上、「だいじ」の解説でした。