「かぱんは、ちゃんとからわんといかんよ!」
このように使われる「からう」という表現を聞いたことはありますか?
これは熊本や福岡を代表する方言のひとつです。
また「からう」、「はわく」、「なおす」は熊本県民にとって、いずれも標準語だと思い込んでいる代表の動詞の方言ベスト3でもあります。
あれ、「からう」って方言なの?あの、バッグをからうとか...え?
— 五代 (@kaeru_1707) March 22, 2016
今回はこの「からう」の意味や使い方を解説します。
熊本弁の方言「からう」の意味
「からう」は「(バッグなどを)身に着ける、背負う」という意味です。
鞄やバッグだけでなく、赤ん坊など、背負うときは何であれ、「からう」が使用されます
熊本県民の多くの人が、標準語だと信じてやまない動詞方言の代表の1つです。
マリさんベーカリーさんのバッグは大人がからっても可愛い
だけど子供がからうと本当にパンが歩いてるみたいで、また違う可愛さがあって親子で使える pic.twitter.com/6zbMvUHBle— みりころ (@amaipansuki) June 9, 2019
同じく標準語だと思っている動詞「はわく」
「はわく」も「からう」同様、標準語だと信じてやまない熊本の動詞方言の代表の1つです。
意味は「(ホコリなどを)掃く」こと。
「掃わく」と漢字で当てられる例も多々あり、いかにこの言葉が熊本の日常に溶け込んでいるかが分かりますね。
他にも「濃い」を意味する「濃ゆい」、片付けるを意味する「なおす」など、標準語だと思ってやまない方言は多々あるようです。
濃ゆいのことを濃いとかいう地域があるってマジですか?掃わくのことを掃くとかいうのもマジ?????
— ぱなぺー (@pana_pay) June 15, 2018
次は「からう」の使い方を例文でみていきます。
「からう」の使い方
「からう」は以下のように使用します。
「からう」の使い方その①
「かぱんは、ちゃんとからわんといかんよ!」
標準語:かばんはしっかりと背負わないとだめだよ。
生粋の熊本人は「かばん」のことは「かぱん」となります。
その他、サッカーの「J1」は「ゼーワン」、「ラジオ」は「ダジオ」、「ジェット機」は「ゼット機」など、濁音や半濁音は、別の表現になることがあるようです。
からうの使い方その②
「みなさーん、ランドセルばからってください」
標準語:みなさん、ランドセルを背負ってください。
意外かもしれませんが、全国版のテレビをいつも見ているような熊本県の多くの子どもたちも「からう」は標準語だと思っています。
「かばんを背負って」と標準語で言ってしまった日には「ぽかん」と子どもたちは上の空になってしまうことでしょう。
からうの使い方その③
「荷物ばからいすぎて、おもかもん!」
標準語:荷物を背負いすぎて、重いよ!
まとめ
ここまで「からう」ついて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
最後に「からう」についてまとめておきます。
・「からう」とは「(バッグなどを)身に着ける、背負う」という意味の意味。
・熊本や福岡を中心とする方言。熊本県民の多くが標準語だと思っている方言のひとつ。
以上、「からう」の解説でした。