『そぎゃんがまだしよったら、うっ倒れるばい』
このように使われる「がまだす」という方言を皆さんは聞いたことはありますか?
これは熊本県だけでなく、長崎県や福岡県、大分県など北部九州を中心に使用されている方言です。
長崎県には「かまだすドーム」という博物館もあります。
この「がまだす」という方言ですが、現在と昔では、微妙にニュアンスが変化しており、今なお進化し続ける方言でもあります。
今回はこの「がまだす」の意味や使い方について解説します。
熊本の方言「がまだす」の意味
「がまだす」は「働く、精を出す、がんばる」という意味です。
語源は「我慢出す」で、この言葉が転じて「がまだす」と使用されるようになりました。
この「がまだす」ですが、当時は「(我慢して・無理して)働く」というニュアンスがあり、元々はネガティブな言葉として使用されてきました。
しかし、「噴火」や「豪雨」、「地震」など2000年以降からの度重なる災害を経験するなかで、「みんなでがまだすばい」のように、ポジティブな言葉として「がんばる・精を出す」というニュアンスに変化していることが「がまだす」の特徴です。
熊本人は、がまだすと
巨大オラフが作れます。⛄️片脚で立ってつくるってツライね。 pic.twitter.com/S8RYqZXn6h
— 瑠唯 (@0328_ruityin) January 24, 2016
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「えがおのうちわ」は、片面にえがおのシンボルマーク、片面に「がまだすばい!熊本」の力強いメッセージ入りです。 pic.twitter.com/jm9Vyg70ko— ロアッソ熊本(official) (@roassoofficial) July 2, 2016
次は「がまだす」の使い方をみていきます。
「がまだす」の使い方
「がまだす」は以下のように使われます。
「がまだす」の使用例その①
「がまだすばい!熊本!」(標識や幟などで)
標準語:「熊本のみんなで、がんばっていこう!」
2016年に起きた熊本地震以降に熊本県の各地で「標識」や「幟」などで使用されています。
災害を経験するなかで「がまだす」がポジティブな言葉として使われるようになりました。
「がまだす」の使用例その②
「そぎゃん がまだしよったら、うっ倒れるばい!」
標準語:「そんなにがんばって働いていたら、倒れてしまうぞ!」
昔ながらの「がまだす」の使用例です。「無理して働く」というネガティブなニュアンスがあることが特徴です。
「がまだす」の使用例その③
「あの人はがまだしもんだもんねー」
標準語:「あの人は働きものだからねー」
熊本弁の応用表現です。「~もん」と語尾につけることにより「~する人」という言葉になります。
「がまだす+もん」で「がまだしもん」、働き者という意味になります。
ちなみに熊本を代表するゆるキャラ「くまモン」は「くまもと+もん」が合わさった言葉で、「熊本の者」が本来の意味です。
まとめ
ここまで「がまだす」ついて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
最後に「がまだす」についてまとめておきます。
「がまだす」とは「働く、精を出す、がんばる」の意味。熊本や長崎、福岡、大分など北部九州を中心とする方言。
以上、「がまだす」の解説でした。