「あん木になばが生えとる」
このように使われる「なば」という言葉をご存知でしょうか?
実はこれ、西日本を中心に各地で使用されている方言です。
また熊本県や大分県などでは「なばうち」という改まった場では使用されない一種の「スラング」としても使用されています。
今回はこの「なば」の意味や使い方を解説します。
熊本の方言「なば」の意味
「なば」とは「キノコ、主にシイタケ」を意味する方言です。
キノコ全般を指すこともありますが、熊本においては、シイタケを意味することがほとんどです。
山のめぐみ。なんと立派なナヴァ(なば=しいたけ の方言) pic.twitter.com/Z4gAUQbOLS
— 葵@地球旅 (@aoihidaka23) April 14, 2020
https://twitter.com/impVI_r25/status/1248582488441491457
また「なば」は「とても」を意味する強調語としても使用されることがあります。
「なばきちー(とてもきつい)」といった具合で使用されますが、どちらかといえば同じ強調語である熊本の方言「だご」が使われる地域の方が多いです。
もちろん「だごきちー(とてもきつい)」といった具合で使用されています
「なばうちくらわす」とは?
熊本や大分のヤンキーがよく使用するスラングで「なばうちくらわす」という表現があります。
これは「コテンパンにする、しばきたおす」という意味です。
「なばうち」と言うと、シイタケを栽培する目的の「シイタケの駒打ち」を意味することが熊本では一般的ですが、「駒打ちをする様子が変化したのか」、はたまた強調語としての「なば」に「打ちくらわす」という暴力的な表現が合わさり、この言葉が誕生したのか定かではありません。
次は「なば」の使い方をみていきます。
「なば」の使い方
「なば」は以下のように使われます。
「なば」の使用例その①
「あん木になばが生えとるけん、とってよかよ」
標準語:「あの木にシイタケが生えているから、取っていいよ」
「なば」の使用例その②
「なばが、いっぴゃこっぴゃ、ああ」
標準語:「シイタケがいっぱいあります」
「なば」を組み合わせた熊本弁の上級編です。
たくさんのことを熊本弁で「いっぴゃこっぴゃ」ということがあります。
「ああ」は「あります」の省略語です。
「なばの」使用例その③
「あいつぁ、なばうちくらわすぞ!」(ヤンキーなどが使用)
標準語:「あの野郎、しばきたおすぞ!」
「方言」かつ「スラング」というちょっと珍しい熊本弁の使用例です。あまりキレイな使い方ではありませんが…。
まとめ
ここまで「なば」ついて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
最後に「なば」についてまとめておきます。
・「なば」とは「きのこ(主にシイタケ)、とても(強調語)」の意味。
以上、「なば」の解説でした。