「あぎゃん行って、そぎゃん行って、こぎゃん行けば着くよー」
このように使われる「ぎゃん」という方言をご存知でしょうか?
熊本弁の「ぎゃん」は、掴みどころなく、知れば知るほど難しい熊本を代表する方言です。
上記の例のように「ぎゃん」だけを使って会話を成り立たせようとする強者も熊本には多々います。
大げさに言えば「ぎゃん」を理解することで、はじめて熊本を理解できるといっても過言ではないかもしれません。
今回はそんな熊本の方言「ぎゃん」の意味や使い方をご紹介します。
熊本の方言「ぎゃん」の意味
「ぎゃん」は「とても」という強調語と、「こっち、あっち」という指示語の二つの意味があります。
「あんたはどぎゃん思うね(あなたはどう思いますか?)」など語尾に「ぎゃん」が使用されることもあれば、「ぎゃん美味しか(とてもおいしい)」というように文頭からいきなり出てくることもあり、初めて聞く人とっては、戸惑うことが最も多い熊本弁のひとつです。
「ぎゃん」の四段活用!
こっち、そっち、あっち、どっちを表す「こそあど言葉」同様、「こぎゃん」、「そぎゃん」、「あぎゃん」、「どぎゃん」という「ぎゃん」の四段活用があるなど、様々な姿形で「ぎゃん」は熊本弁で登場します。
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https://twitter.com/sakyo_asc/status/1209467410752757760
次は「ぎゃん」の使い方を例文でみていきます。
「ぎゃん」の使い方を例文で解説
「ぎゃん」は以下のように使われます。
「ぎゃん」の使用例その①
「あぎゃん行って、そぎゃん行って、こぎゃん行けば着くよー」
標準語:「ああ行って、そう行って、こう行けば、目的地に着くよ」
冗談かと思うかもしれませんが、熊本県民に道を尋ねると、このように返答があることは実際にあります。
「ぎゃん、ぎゃん」言われても戸惑わないようお気をつけください。
ぎゃんの使用例その②
「このラーメンはぎゃんウマか!」
標準語:「このラーメンはとてもおいしいね」
強調語として「ぎゃん」が使用されている例です。他にも熊本弁には「だご」や「なば」といった「とても」を意味する強調語があります。
どの強調語が使用されるかは、微妙なニュアンスの違いがあり、また熊本県内でも地域によって異なってきます。
ぎゃんの使用例その③
「そぎゃん、じきたくり言っても、できんもんはできん!」
標準語:そんなに身もふたもないことを言っても、できないものはできないよ!
熊本弁の上級編です。「ぎゃん」は日常会話のあらゆる場面で使用されています
まとめ
ここまで「ぎゃん」ついて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。最後に「ぎゃん」についてまとめをさせていただきます。
・「ぎゃん」とは「とても」という強調語と、「こっち、あっち」という指示語の二つの意味する方言。
・熊本の日常会話で度々使用される。
以上です。ご覧いただきありがとうございました。