「今日ちょっと風邪ひいててえらいわー」
このように使われる「えらい」という言葉をご存じでしょうか?
三重県の他、中部地方や関西地方などでよく使われる言葉ですが、方言の「えらい」は、標準語の「偉い(えらい)」とは意味が違います。
三重県では、標準語の「偉い」も普通に使われるので、他の県の人は、意味の違いがわからず混乱することがよくあります。
今回は方言の「えらい」の意味や使い方について解説します。
方言の「えらい」とは?
三重県で使われる方言の「えらい」は、この3つの意味で使われます。
①「疲れた」「だるい」 → 類語は「しんどい」。
②「大変」 →「事が重大であること」、「苦労が多いこと」両方の意味で使います。
③「たくさんの」「(量・数・程度が)すごい」
さらに、標準語の「偉い」の意味でも使うので、他の県の人にとっては区別するのが難しい言葉です。
三重県の方言で「えらい」って言葉で3つくらい意味があるんですよ
— ぱんだ (@shima_panda_) September 23, 2017
三重県人がナチュラルに使う「えらい」は「しんどい」の意味とわからない人は案外多い。
「○○さんえらそうですね、と上司に言ったら逆ギレされた。気をつけて」と関東時代三重県人の先輩に言われたと娘が語ったけど、うん、確かに危険。(^-^;
ねぎらいがとんでもない意味に。(^-^;
— よこた (@noconocotsuchi) September 26, 2019
特に他の県の人に伝わりにくいのが、①「疲れた」の意味の「えらい」です。
三重県の人に、突然「あんた、えらそうやなあ」と言われても気を悪くしないでください!それは、「あなた、疲れてるみたいだけど大丈夫?」という気づかいの言葉であることが多いです。
「お前態度でかいんだよっ!」の意味の「えらそう」は、「お前、えっらそうやなっ」ときつい感じでいうことが多いので、そこで、判別してくださいね。
では次に、「えらい」の使い方をみていきます。
「えらい」の使い方
方言の「えらい」は以下のように使います。
①「ちょっとえらくなってきたで、もう寝るわ。」
標準語訳:「ちょっと疲れてきたから、もう寝るね。」
「疲れた」の意味の「えらい」です。
「えらくなってきた」を「えろなってきた」、「えろうなってきた」と言うこともあります。
エロとは何の関係もありませんので、他県の人は驚かないでくださいね。
②「えらいことが起きたで!」
標準語訳:「大変なことが起こったよ!」
「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!」のえらいですね。
③「鈴鹿サーキットは、えらい人おったわ。あーえらかった」
標準語:「鈴鹿サーキットはたくさん人がいたよ。あー大変だった(疲れた)」
この例文の「えらい人」は「偉い人」ではなく、「たくさんの人」という意味です。
「あーえらかった」は、「大変な思いをして疲れた」ということを、一言で言い表せる便利なフレーズです。
方言「えらい」まとめ
ここまで方言の「えらい」についてみてきましたがいかがだったでしょうか?
最後に「えらい」についてまとめておきます。
・方言の「えらい」は、標準語の「偉い」以外に、「疲れた」「大変」「たくさんの」などの意味で使われる。
・「えらい人」(たくさんの人)、「えらそうやな」(つらそうだね)など、標準語と全く違う意味で使う場合もあるので、注意が必要。
以上方言「えらい」の解説でした。