三重弁

三重の方言『えらい』とは?意味や使い方を例文で解説!

今日ちょっと風邪ひいててえらいわー

 

このように使われる「えらい」という言葉をご存じでしょうか?

 

三重県の他、中部地方や関西地方などでよく使われる言葉ですが、方言の「えらい」は、標準語の「偉い(えらい)」とは意味が違います。

 

三重県では、標準語の「偉い」も普通に使われるので、他の県の人は、意味の違いがわからず混乱することがよくあります。

 

今回は方言の「えらい」の意味や使い方について解説します。

 

方言の「えらい」とは?

三重県で使われる方言の「えらい」は、この3つの意味で使われます。

①「疲れた」「だるい」 → 類語は「しんどい」。

②「大変」 →「事が重大であること」、「苦労が多いこと」両方の意味で使います。

③「たくさんの」「(量・数・程度が)すごい」

 

さらに、標準語の「偉い」の意味でも使うので、他の県の人にとっては区別するのが難しい言葉です。

 

特に他の県の人に伝わりにくいのが、①「疲れた」の意味の「えらい」です。

 

三重県の人に、突然「あんた、えらそうやなあ」と言われても気を悪くしないでください!それは、「あなた、疲れてるみたいだけど大丈夫?」という気づかいの言葉であることが多いです。

 

「お前態度でかいんだよっ!」の意味の「えらそう」は、「お前、えっらそうやなっ」ときつい感じでいうことが多いので、そこで、判別してくださいね。

 

では次に、「えらい」の使い方をみていきます。

 

「えらい」の使い方

方言の「えらい」は以下のように使います。

 

①「ちょっとえらくなってきたで、もう寝るわ。」

標準語訳:「ちょっと疲れてきたから、もう寝るね。」

 

「疲れた」の意味の「えらい」です。

「えらくなってきた」を「えろなってきた」、「えろうなってきた」と言うこともあります。

 

エロとは何の関係もありませんので、他県の人は驚かないでくださいね。

 

②「えらいことが起きたで!」

標準語訳:「大変なことが起こったよ!」

 

「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!」のえらいですね。

 

③「鈴鹿サーキットは、えらい人おったわ。あーえらかった」

標準語:「鈴鹿サーキットはたくさん人がいたよ。あー大変だった(疲れた)」

 

この例文の「えらい人」は「偉い人」ではなく、「たくさんの人」という意味です。

 

「あーえらかった」は、「大変な思いをして疲れた」ということを、一言で言い表せる便利なフレーズです。

 

方言「えらい」まとめ

ここまで方言の「えらい」についてみてきましたがいかがだったでしょうか?

 

最後に「えらい」についてまとめておきます。

 

・方言の「えらい」は、標準語の「偉い」以外に、「疲れた」「大変」「たくさんの」などの意味で使われる。

・「えらい人」(たくさんの人)、「えらそうやな」(つらそうだね)など、標準語と全く違う意味で使う場合もあるので、注意が必要。

以上方言「えらい」の解説でした。

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