「なんだか、この家は、すーすーすーね」
このように使われる「すーすーすー」という言葉をご存知でしょうか?
これは、熊本や佐賀、福岡など九州各地で使用されている方言です。
同じ単語が3回も続くのはなかなか珍しい言葉かと思いますが、他にも「とっとっと」など、熊本弁には同音が続く言葉がいくつかあります。
今回はこの「すーすーすー」と「とっとっと」の意味や使い方を解説します。
「すーすーすー」の意味
「すーすーすー」は、「(風などが通り)寒い」という意味の方言です。
「すーすすー」と記載されることも多くあります。
ムヒを塗った時の熊本人の反応「スーススー」@vcamembertv @wwww_bot
— 麦と卵と愛情と (@mugitamaaijyo) November 6, 2012
「すーすーすー」は実は2つの言葉が合わさった複合語です。
最初の「すーすー」は文字通り「風などが通り過ぎるスース―」という擬音語です。
そして最後の「すー」は「~する」といった末尾を表す方言です。
この2つが組み合わさり「すーすーすー」という言葉が誕生しました。
熊本の方言「とっとっと」とは?
「すーすーすー」の他にも同音の羅列語は熊本弁で多用されます。
その代表が「この場所、とっとっと?」などのように、使用する「とっとっと」です。
「とっとっと」の意味は「この場所はとってあるの?」です。
これは「すーすーすー」よりさらに複雑で、3つの言葉が合わさった複合語になります。
ひとつ目の「とっ」は、「取る」という意味があり、2つ目の「とっ」は「~した、~ある」という意味。
そして3つ目の「とっ」は熊本弁ならではの疑問形の末尾を表す独自の表現。
この3つが合わさり「とっとっと」という言葉が誕生しました。
熊本弁で「それとってます」は
「それとっとっと」です。
— 透明 (@ToumeiT) September 12, 2019
「すーすーすー」と「とっとっと」の使い方
「すーすーすー」と「とっとっと」の使い方をいきます。
「すーすーすー」の使用例その①
「なんだか、この家は、すーすーすーね」
標準語:「なんだか、この家は風が吹いて肌寒いね」
とっとっとの使用例その①
「あんた、許可もなしにあん子の写真をとっとっとーね?」
標準語:あなたは誰の許可もなしに、かってにあの人の写真を撮っているのですか?
とっとっとの使用例その②
「この席はとっとっとーですか?」
標準語:「この席はとってありますか?」
「とっとっと」と丁寧語が合わさった言葉です。
丁寧な表現に変えたいときはこのように文末に「です・ます」を加えるのは標準語と同じです。
まとめ
ここまで「すーすーすー」と「とっとっと」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
最後にまとめておきます。
・「すーすーすー」とは「(風などが通り)寒い」という意味。
・「とっとっと」とは「(場所や写真など)とってあるの?」という意味
以上、「すーすーすー」と「とっとっと」の解説でした。