「あん人は、わさもんだけん、すぐ色々と買いよらす」
このように使われる「わさもん」という言葉をご存知でしょうか?
熊本で「~もん」がつく代表的な言葉としては、ゆるキャラの「くまモン」を思い浮かべる人が多いかと思います。
実は「~もん」は熊本県の方言ではとても馴染みの深い表現です。
今回は、「~もん」の中でも、よく使用されている熊本の方言「わさもん」の意味や使い方についてご紹介します。
「わさもん」とは?
「わさもん」は「新しいもの好きな人、初物」という意味の方言です。
「新しいものがあると、すぐに試したくなる」熊本の県民性を表した言葉かもしれません。
熊本県内には「わさもん」という屋号のラーメン店や、お米の品種など、名称としても様々使用され、地元民に愛されています。
https://twitter.com/kenzi_trp/status/1055306919919808517
出来たてホヤホヤのサクラマチクマモトに行ってきました。ワサモン(新しもの好き)です。笑
熊本城ホールのスタートも楽しみだな。 pic.twitter.com/pmAvkz8gTW— 本田浩平 (@amanojackhonda) September 18, 2019
「わさもん」の語源
熊本の方言では、「~もん」と語尾につけることにより「~する人、~な人」という意味の言葉になります。
「働く、がんばる」という意味の方言「がまだす」と「もん」がくっつき「がまだしもん」という熊本弁があるなど、様々な使用例があります。
熊本弁だけど、ボクのモンは、熊本の者(くまもとのもん)から来てて、「そぎゃん言うたろもん(そんな言ったでしょ)」みたいに語尾につけるもんじゃないモン☆ RT @4415ma くまモンの「モン」て方言から取ったんですか?熊本の友人達が語尾にやたら「もん」と付けてたような、、、
— くまモン【公式】 (@55_kumamon) August 2, 2012
一方の「わさ」の語源は「早生(わせ)」。
実は「早生みかん」など農作物の表現で使用される「早く熟した」を意味する言葉です。
「早い」というイメージから「新しいもの」へつながり、「わさもん」は「新しいものが好きな人」や「初物」という意味で使用されるようになったとされています。
次は「わさもん」の使い方を例文でみていきます。
「わさもん」の使い方
さて「わさもん」は以下のように使われます。
「わさもん」の使用例その①
「あん人は、わさもんだけん、すぐ色々と買いよらす」
標準語:あの人は新しいもの好きだから、すぐに色々なものを買います」
「わさもん」の最も一般的な使い方です。
このように、新商品や、期間限定商品などをいち早く試すと、「あん人はわさもんだからぁ」となじられます。
「わさもん」の使用例その②
「今年のわさもんのスイカはうまかねー」
標準語:「今年の初物のスイカはおいしいね」
ここでは「初物」という意味で使用されています。
「わさもん」の使用例その③
「わさもんな熊本県民」
標準語:「新しいもの好きな熊本県民」
熊本県民はとにかく新しいもの好きと言われています。
全国発売の商品も、まずは熊本で販売し様子を見てからという業界も中には多いようです。
まとめ
ここまで「わさもん」ついてみてきましたがいかがだったでしょうか。
最後に「わさもん」についてまとめておきます。
・「わさもん」とは「新しいもの好きな人、初物」の意味。熊本の県民性を象徴するような熊本を代表する方言。
以上、「わさもん」の解説でした。